九条の大罪 第5審 弱者の一分④ 感想  

真鍋昌平 ビッグコミック 九条の大罪 漫画

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登場人物

曽我部 聡太(そがべ そうた) 配達員 壬生の後輩の下の人間らしい

九条 間人(くじょう たいざ) 弁護士

烏丸 真司(からすま しんじ)九条の事務所のイソベン(=居候弁護士。弁護士事務所に雇われている弁護士のこと)

壬生 憲剛(みぶ けんご)自動車整備会社社長・コワモテ

金本 卓(かねもと すぐる)大柄な不良 力士を目指していたらしい 父がヤクザ

薬師前 仁美(やくしまえ ひとみ) ソーシャルワークつぼみ代表の女性。烏丸の知り合い

九条の大罪 第5審 あらすじ ネタバレ注意

曽我部の部屋。

金本の後輩と思われる輩たちにパシリに使われる曽我部。マリファナを運ぶついでにメンチカツやら酒やらを買わされている。

曽我部の部屋にはいろんな薬物を求める客が訪れる。

使う薬物によりそれぞれの客は特徴的で、マリファナをする客は幸せそう、コカインはパリピの遊び人で金持ち、覚せい剤は年寄りと貧乏人だと曽我部は心の中でつぶやく。

1人考えながら道を歩く曽我部は悪い人間には悪い人間が集まる、自らの罪は償いたいと思考を巡らせる。

場面変わって公園のベンチで女性に会う烏丸。

女性は薬師前仁美(やくしまえ ひとみ)という。

「ソーシャルワークつぼみ」の代表で、烏丸の知り合いのようだ。

曽我部が過去に刑期を終えた後、仕事や部屋探しをしたらしい。

烏丸から曽我部が再び犯罪に手を染めていることを聞き「バカぁ!」と大声を上げる。

東大法学部首席のエリートである烏丸がなぜ九条のような胡散臭い男の居候弁護士をしているのかと薬師前は聞くが、

九条先生は面白い

と烏丸は答える。

九条の事務所に電話がかかってくる。コカインと大麻所持で曽我部が逮捕されたとの連絡が入る。

つづく

九条の大罪 第5審 感想と考察

今回は曽我部が良心の呵責に苛まれるシーンをはさみ、新キャラである薬師前が登場し、最終的には曽我部が逮捕されるということが分かった。

新キャラ薬師前仁美

「薬師前」というのも京都の地名だ。

正確には全国に薬師前という地名はいくつかあるが京都の碁盤の目の中にもある。

年齢はおそらく烏丸の同級生程度で、後のエピソードからも真面目そうに見える。

第1審の感想で述べた京都の地名を含むキャラだ。

そのため、そこそこ大事なポジションであるのではとも思っている。

が、ウシジマくんでも象徴的な動物の名前シリーズを含むキャラでも1シリーズしか登場しなかった它貫(たぬき)や鷺崎(さぎさき)などもいることから今回限りのキャラなのかもしれない。

ウシジマくんではヒロイン役というのは強いて言えば小百合になるのだろうが、活躍のシーンも少なかったことから、本作ではキャラの強い女性が出てくるのかも気になるところ。

ソーシャルワーカーという仕事について

ソーシャルワーカーという仕事について、何となく福祉っぽいイメージはあったが、どんな仕事なのかイマイチ把握していなかった。

この話を見る限り社会的に立場の弱い人たち全般のいろんなサポートをするらしい。

仕事探しや家探し、再犯防止などを薬師前は行っているようだ。

調べてみると病院・デイケアや介護施設などに訪問してサポートやらをする仕事のように見えるが、実体的には体力的にも精神的にもかなりしんどい仕事のようだ。

先ほどの薬師前の守備範囲の広さからも特段決まった業務をしているというよりは満足できる「社会復帰のためのサポート全般」をしているようだ。

曽我部に対し「バカ」と絶叫してしまったのもこういったサポートの中で親が子を育てるようなきもちになるのであろうか。

表情的にはもちろん怒っているような、強い感情ではあるのだが、「残念」とか「こんなはずでは」とかそういった気持ちも見て取れる。

親が子に思うような期待や不安を抱えながらも一生懸命曽我部をサポートしてきたのだろう。

烏丸は東大首席の超エリート

私の周りにはあまりお見掛けしないが、東京大学といえば京都大学と並ぶ日本トップレベルの難関大学であり、法学部もトップクラスに偏差値の高い人の集まりであるに違いない。

こちらのサイトによると東大法学部の偏差値は67.5とまあ「クソ高い」と言って良いレベルである。

少なくとも国公立ではNo1のようだ。

で、さらにヤバそうなのが「首席」であり、そもそもがエリート集団の中で一番良い成績なのだから、烏丸はいわゆる「天才」とかそういったレベルの頭脳の持ち主なのかもしれない。

少なくともお勉強はとてつもなく出来るし顔もカッコいいパーフェクト人間っぽい烏丸だが、九条を「面白い」と言った。

ニュアンスがまだ分からないが、これは路上で明太子を食べたり屋上でテント暮らしであること以上に、何らか烏丸の知的好奇心をくすぐる何かがあるというようにとれる。

曽我部は大麻とコカインの所持で逮捕。

大麻の所持については前回の記事にてカンタンに記載したが、所持なのか栽培なのかで罪の度合いが変わるようだ。

今回は所持で捕まったようだが、さらに罪が重くなることも考えられる。

というか曽我部周りの人間はこれっぽっちも彼に同情したりはしていないだろうから、擦り付けられる限りの罪は曽我部に擦り付けようとするだろう。

今後の展開考察

曽我部が何らかの加害者となる可能性が高いと述べてきたが、とりあえず犯罪は犯してしまった。

というか犯罪はしていたのだが表面化してしまい、逮捕された。

個人的にこの場合、「被害者」が誰なのかと思い「加害者」という言葉について調べたところ、これは民法上使う言葉で、刑法上は罪を犯したものを「行為者」と呼ぶらしい。

曽我部はもう捕まってしまっているので、大麻・コカインの所持という点についてはもはや動かせないと思う。

今回の曽我部の思考回路からすると、「自分も悪の道に進み他人を苦しめている。この状態に対しては最大の償いをするべきだ」

と思っているようである。

つまり、1話に出てきたひき逃げ犯の森田とはそもそもの罪に対する向き合い方が異なる。

森田は何とかして助かりたい、罪を軽くしたいという発想で、九条も弁護により罪を軽くした。

1話で「いい弁護士は性格が悪い」と言っていることを踏まえ、罪を償いたいと思っている曽我部の罪や刑を九条が軽いものにしてしまう可能性はありそうだ。

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