じっちゃまメモ2022年8月12日 楽天証券セミナー

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2022年Q2決算ハイライト

最初の6企業は決算の悪かった企業。

SNAP スナップ

インスタに似たアプリを持つ。デジタル広告はハイグロースと思われがちだが売上高は前年+13%。DAUは+18%。
アプリはまだ人気だが、ページビューを広告売上に結び付けるのがだんだん難しくなっている。
難しい理由①TiKTokの競争激化②iPhoneが個人情報取り扱い厳格化、ピンポイントなターゲットを狙った広告表示が難しくなっている。
広告主からすると広告効果が落ちている状態になる。もう一つスナップの顧客に多いテクノロジー企業が不況で広告を絞っている。
箸にも棒にもかからない悪い決算としか言いようがない。

META メタ

ネット企業だが成長していない。
20年に新型コロナが出てきてロックダウンにより在宅を強いられたとき、テクノロジーのハードウェアや
インターネットのサービスの売り上げがものすごく伸びた。他にすることがなかったので。
その時に加速した成長が、将来の成長を先食いしたともいえると思う。
その反動で今は経済再開になってここら辺の銘柄が苦しんでいる。
ピークデジタルという現象が起きてしまった。
2000年にドットコムバブルがはじけたときにちょうど同じような光景を見た。
2000年問題、として旧式メインフレームコンピューターが「000」を認識できず
飛行機が空から落ちるとかそういう都市伝説がささやかれた。
それがあったのでテクノロジーのハードウェア、ソフトウェアへの投資が最大になった。
そして2000年で設備投資がとまり、鈍化したのがドットコムバブル。
それに非常に酷似した状況がGAFAに代表されるアメリカのテクノロジー企業を襲っている。

景気がいい、悪いというのはサイクルの話だが、
テクノロジーに限っていえば、景気にかかわらない長期でのトレンド変化があるかもしれないという話をしている。
それは、たとえば江下る広告の成長の終焉などではないかと思う。
デジタル広告はアップル・アルファベットというような会社を何年も駆動し
広告の大きなトレンドを作っていたが、終わろうとしている、それは足元の米国経済とは別に。
仮に今後インフレが鎮静化し、利上げしなくてよくなって、来年のどこかで利下げに転じた
場合もテクノロジー株を買いにくい理由は長期でのトレンドとしての
インターネット株がオワコン化しているから、という説明になると思う。

GOOG GOOGL アルファベット

インターネットのトップ企業だが、それでも+12%成長。これは重い事実と思う。
今後の成長の柱と広く考えられるYouTube広告は前年+4.8%成長。非常に不満足。
少し改善するかもしれないが、1桁の売上高成長が続くかも。
これはアメリカにはゴロゴロある成長の水準。何もハイテク株を買うことで成長を買うことには
必ずしもならないと思う。
過去数年間のブル相場で皆の頭の中に焼き付いた先入観として
テクノロジー=ハイグロース、その他はローグロースという区分は必ずしもそうではない。
1988年からアメリカでこの仕事を始めたが、テクノロジーが全然成長していないことも何回かあった。
例えば2000年代前半とか、1980年代の後半とかもはっきり言ってあまりよくなかった。
そういうことを考えると長期的にテクノロジーがスランプに陥るリスクもかなり高いのではと僕は思う。
グーグルクラウドのお売上高は前年+35.6%。
クラウドは高成長のビジネスと思われがちだが、前比+50%くらいの過去の成長がだんだん鈍化している。
将来は+20%台に落ちると思う。グロースドライバーの一つのデータセンターがらみのビジネスの原則も
注意を払う必要があると思う。

AMZN アマゾン

まちまちな決算。3回くらい連続悪い決算だったが今回はやや良かったと思っている。
でもすごくよかったかというとそうではなく、まだら模様の決算と言わざるを得ない。
EPSミスはリヴィアンの株価低下による含み損。
アマゾンのトップライン成長も+7%くらい。インフレ率の+8.5%を加味すると全然成長していない
という意地悪な見方もできる。
AWS+33% グーグルクラウドより少し低い。ただAWSのほうがはるかに歴史が長くはるかに売り上げ規模が大きく、
成長率がグーグルより低いのは当然と思う。

AAPL アップル

まちまちな決算。売上:iPhone・iPadは予想を超え、Mac、ウェアラブルは悪かった。
半導体の供給やロックダウン要因かと思う。それほど心配には及ばないかと思う。
こんどM2という新しいチップを搭載したMacbookairが売り出されているが、
成長を取り戻す一つのきっかけになるのではと言われている。
過渡期に今アップルが差し掛かっている。

懸念点としてはサービス売上高が予想を下回った。すでにサービス売上高がアップルの売り上げに占める割合が増えていて、
アップルはハードウェアの銘柄ではなくサービスの銘柄に数年後にとらえられるかもしれないが、
そのサービスは悪かった。

MSFT マイクロソフト

決算悪かった。他のネット企業に比べ常に成長率は低く、歴史が長い銘柄なので仕方ないが、
マイクロソフトほどの企業でも売上高は12%くらいしか成長していない。
各部門、すべての部門で会社側が提示したガイダンスを結果が下回っていた。
マイクロソフトにしてみれば非常に不本意、悔しい結果だったと思う。
決してマイクロソフトは絶好調ではない。
クラウド前年+28% アジュール+40%。アジュールがグーグル、AWSより元気がいいがそれでも+40%。
マイクロソフトは保守的に経営されたいい会社ですべての投資家のコアホールディングの一つであるべきと思うが、
目の覚めるような決算ではなくどちらかというと割高感が出始めている。

ここからが決算の良かった企業。

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