九条の大罪 第98審 命の値段⑦ 感想

真鍋昌平 ビッグコミック 九条の大罪 漫画

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これまでの登場人物
  • 九条 間人(くじょう たいざ) 弁護士
  • 鞍馬 蔵人(くらま くろうど)検事。九条の実兄
  • 烏丸 真司(からすま しんじ)九条の事務所のイソベン(=居候弁護士。弁護士事務所に雇われている弁護士のこと)現在は流木の事務所に勤める。
  • 壬生 憲剛(みぶ けんご)自動車整備会社社長・コワモテ
  • 有馬 (ありま) 弁護士
  • 嵐山 (あらしやま) 刑事
  • 莉乃(りの) 九条の娘。
  • 植田 篤彦 自殺をしたおじさん 口が悪かったらしい
  • 流木 信輝(ながらき のぶてる)白髪の高齢の弁護士 九条の父と面識あり
  • 山城 祐蔵(やましろ ゆうぞう) 弁護士 九条の父と面識あり
  • 菅原 遼馬(すがわら りょうま) 介護施設輝幸代表 輩
  • 久我(こが) 菅原の部下
  • 家守華恵(いえもり はなえ) コンサルティング会社経営
  • 佐恵子 家守華恵の義理の妹
  • 金本 卓(かねもと すぐる)大柄な不良 力士を目指していたらしい 父がヤクザ 故人
  • ミヨコ 金本の同居人
  • 曽我部 聡太(そがべ そうた) 配達員 壬生の後輩の下の人間らしい
  • 薬師前 仁美(やくしまえ ひとみ) ソーシャルワークつぼみ代表の女性。烏丸の知り合い
  • 宇田川 良子
  • 森田 ひき逃げ犯
  • 郷田 ヤクザ風の男
  • 市田 智子 毎朝新聞社会部 烏丸の知り合い
  • 京極 清志(きょうごく きよし) 伏見組の若頭
  • 佐久間 謙一(さくま けんいち) 京極を襲撃した輩
  • 笠置 雫(かさぎ しずく) 男性を殺害した若い女性、キャラクターのタトゥー
  • 中谷 修斗(なかや しゅうと) イケメン。マッチングアプリで雫と出会う 故人
  • ムーちゃん 39歳。ぼったくりバーの客引き。
  • 外畠(とのはた)雫の母衣子の内縁の夫
  • 粟生(あお)怪しい男。修斗とつながっている。
  • 亀岡 麗子(かめおか れいこ) 人権派弁護士
  • 田城(たしろ)雫のメイク担当
  • 小山義昭(こやま よしあき)=小林(こばやし)? トゥールビヨン企画の代表取締役
  • 白石 桃花(しらいし ももか)AV出演強要を訴えるモデル
  • 寿樹弥(じゅきや) No1ホスト
  • 笠置衣子(かさぎ きぬこ)雫の母親
  • 深見 警察官、組織対策課3年目
  • 又林 深見の先輩らしき警察官
  • 嵐山信子=愛美? 嵐山刑事の娘 故人
  • 犬飼勇人 嵐山信子殺害の為、少年刑務所に服役中、壬生の地元の後輩
  • 衣笠美穂 嵐山愛美の元飲み友達。
  • 炭山部長 嵐山の上司
  • 金ヶ原 ヤクザが原因で銀行口座を作れない女
  • 紗理奈 小山の娘
  • 門脇数馬(俳優志望➡サパークラブ勤務)
  • 音羽千歌(歌手志望➡ギャラ飲み女子)
  • 数絵 門脇数馬の妹。生まれつき体調がすぐれない
  • ももよ 数馬の俳優時代からのファンで風俗で働く
  • 山梨新一 整形外科医 エッチそう
  • 伏見組長 伏見組の組長。現在服役中。
  • 川原社長 数馬を大人の運動会に紹介したらしい
  • 小松 坊主頭の男。
  • 東村ゆうひ 烏丸の元居た法律事務所の人と思われる
  • 知恵光院翔 ライップスコーポレーションの男。門脇数馬に投資詐欺を行う。
  • 片桐士郎 私立探偵。壬生の依頼で数馬を助けようとする
  • 宇治信直(うじのぶなお) 検事部長。
  • 京極猛(きょうごく たけし)京極清志の息子。
  • 烏丸克伸 烏丸の父で東大法学部➡商社勤務。「東海道新幹線連続殺人」による無差別殺人にて亡くなる。
  • 雁金正美 (かりがね まさみ) 伏見組若頭補佐
  • 鍛冶屋小鉄(かじやこてつ)伏見組構成員
  • 艮克成(うしとら かつしげ)破門絶縁元ヤクザ
  • 出雲 死刑判決が出た男。詳細不明。
  • 船井 電車で暴行を行うオタのオッサン
  • 中林敏子 (なかばやしとしこ)烏丸克信を殺害した連続殺人犯に殺害された被害者
  • 鞍馬 行定(くらま ゆきさだ)九条の実父、検事
  • 佐山 弁護士。
  • 宇治 金、頭脳、暴力の三拍子が揃っていると雁金に評される伏見組のヤクザ。壬生の知り合い。
  • 白栖 雅之 白栖総合病院医院長
  • 白栖 正孝 白栖医院長の息子
  • 相楽 弘毅(そうらく こうき)東村ゆうひ弁護士事務所所属の弁護士
  • 平川 幸孝(ひらかわ ゆきたか)白栖医院長の次男で正孝の弟
  • 白栖 早苗(しらす さなえ)白栖正孝の妻
  • 平川 恵理子(ひらかわ えりこ)平川幸孝の妻
  • 山根 白栖正孝の学生時代の友人で現在は勤務医→製薬会社の査定の医者に転職

九条の大罪 第98審 あらすじ ネタバレ注意

白栖雅之はファクタリングを利用して、架空債権を用いた詐欺を行い20億円を不正に引き出した疑いがあると、鞍馬蔵人はいう。

ファクタリングとは今後支払われる診療報酬を債権化して販売することを言い、それ自体は違法性はないようだ。

しかし、債権化にあたり、架空の債権を用いることに違法性があるようで、この疑いをかけられている。

この疑いに対して回答をせず、相楽弁護士を呼ぶように鞍馬蔵人に伝える雅之。袖をまくると腕に相楽の事務所である東村ゆうひ法律事務所の電話番号が書いてある。

鞍馬は部下のような女性に対し、白栖病院の内情を語る。もともとは80億円の累積赤字を抱えていたが、白栖院長の効率経営とアメリカ帰りのスーパードクター正孝により経営が改善したよう見えた白栖病院だが、実情は違う。

資金繰りに追われファクタリング詐欺、病床数の詐欺、新型コロナの補助金で一時的に黒字化したに過ぎないという。

さらに新型コロナの補助金を使い経営を改善するメソッドをほかの病院に売ってキックバックを得ていた可能性もあるという。

これらの説明をした後、相楽に連絡をすることを部下の女性に指示し、鞍馬蔵人は病院の外で一服する。

山根という男が人気のない居酒屋で白栖正孝と向き合っており、落ち込んでいる。

嫁に傷害容疑をかけられ、留置所に入れられたという。今は不起訴になったが離婚でもめているという。

仕事や家庭でもめており、ちょっとしたことで妻を小突いたことで大げさに転倒し、大事になったという。

山根に離婚の弁護士費用を貸してくれと頼まれ、ATMで金をおろす正孝。

山根は良い弁護士の電話番号は記憶しておけ、と正孝に忠告する。

山根も正孝も親の教育方針が似ており、東大理三以外認めない、というものであったようだ。結果、二人は人の気持ちがわからない大人に育った。と山根は考える。正孝も医師免許の性格診断で人の気持ちがわからない、という理由で2回落ちているようだ。

今でも人の気持ちがわからない正孝は、ダメな状況をパターン化することで人が嫌がることを理解できるようになったという。

山根が電話した良い弁護士、は九条である。九条の対応で山根はスーパーで殴られたという嫁の証言を無効にできたという。

いっぽう、留置所には相楽含む3名の弁護士が接見に来ているが、3倍のタイムチャージを白栖雅之は気にしている。

九条の大罪 第98審 感想

ファクタリング詐欺というのを初めて知ったが、説明の通りでファクタリング自体は違法性はないが、架空の売掛金・架空の取引に基づく架空の債権を現金化するというフローはダメ、ということのようである。

架空の売上などを計上してそれを現金化する、ということだろうか。とにかくメチャクチャなことであり、それも10億円単位のことなので病院の会計を確認できる人間からすると明らかに様子がおかしい、と分かるような内容に感じる。

不運なことに白栖雅之はいまだに相楽の能力に信頼を置いているようだ。

コストはかかっているが、目の前の問題を解決しているからだろうか。白栖正孝は雅之の教育方針によるものか、人の気持ちを知る、という比較的子供でも分かりそうな事が全然わからない。

一方で雅之においては人の気持ちを分かったうえで悪事を働いているかはよくわからないが、一般的なモラルが欠如していることは間違いなさそうである。

山根は新キャラである。

なんだか可哀想にも感じるが今は山根側の言い分しか表現されていないのでよくわからない。弁護士の九条は自分や社会通念上の善悪という概念を持たず仕事をするため、実はこの山根もただの可哀想な人ではなく、コミュニケーションなどに難がある可能性はあり得そうである。

何せ山根も正孝と似て人の感情がわからない。と自身で言っている。

正孝は手術前に看護師とセックスをしていたが、看護師としては正孝が仕事と割り切ってこう言った行為をしていることが信じられず、一方で体を許しているということは正孝に好意も持っており、なんで私はこんな扱いなんだろう、というような不満を持っていたとしてもおかしくはない。

妻との記念日より仕事が優先なのも仕事熱心なことももちろん理由ではあると思うが、妻の早苗が苛立つ理由がリアルにわからないため、いくら公式的に嫌がることを発見したとしてもそれはおそらく応用が利かず、理解や共感というものにはなっていない。

おそらくは学力自体は高く、医師としての腕も一流の正孝は一見すると完全無欠の人間に見えてしまうがゆえに、「他人の気持ちを推し量り、行動する」というごく普通の、難しくなさそうなことができない正孝を知り周囲の人間はあとになり強いショックを受ける、が受け容れられないということが続いているのではないか。

九条の大罪 第99審以降の展開は?

正孝の知り合いが山根であり、山根は九条と直接つながっている。

例えば白栖雅之が逮捕されてしまったりして、活動不能な状況でなお白栖医院事態に問題が継続している場合、新たな医院長候補の正孝が弁護士として九条にたどり着くという可能性が出て来ている。

もしそうなると九条間人と鞍馬蔵人が仕事上対立することになる。

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