米国株 SQ スクエア SQUARE 2021年1Q(1~3月)決算 数字レビュー

米国株決算

米国株SQ スクエアの2021年1Q決算についてレビューします。数字を中心としています。スクエアの決算の資料を眺めるのが2回目なので少し後半感情・憶測的な部分も入ってしまっておりますが、ご容赦ください。

本記事は情報の整理を目的としておりますが、具体的解釈の内容についての保証は致しかねます。本記事は情報の整理を目的としており、投資・その他の行動を勧誘する目的で作成したものではございません。投資の判断はご自身の意思と決定でお願いします。

スクエア NYSE:SQ 2021年1Q(1~3月)決算 数字レビュー

スクエアの2021年の1Q決算結果について記載しています。

良い決算を数字で振り返るとともに、スクエアのビジネスについての勉強をいたしました。

スクエアはどんな会社?ペイメント・モバイル決済関連企業。

2020年4Q時の決算資料をもとに過去、どんな事業をしているかを列挙しています。

まとめると

①セラーエコシステム:キャッシュレスの導入(個人事業主~多店舗展開の企業が顧客。)を行い、販売者(例えば飲食店などからの)サブスクリプション収入と、買い物ごとの取引手数料収入などを得る。在庫分析などのソフトウェアも提供。

②Cash Appによる個人間送金やトレーディング。ビットコインも購入可能。

という内容です。

2021年1QはEPS・売上共にコンセンサスをクリア。

EPS・売上共にコンセンサスをクリアしています。

単純な数字で見るとメチャクチャ良いです。

が、ボラティリティの高いビットコインをトレード=買った場合の売り上げが含まれる点が注意です。

ビットコイン収入を除いた純売上高(前年+44%)について記載しているのはビットコインの売り上げに占める貢献度が高いためです。これはスクエアの資料には明記してあるので、あくまで特別なものであるということを示す意図があると思いました。

ビットコインのおかげで売上はメチャクチャ良いけれどもそれを除いてもしっかり数字が出ています。というメッセージです。

もう少しCashApp(=ビットコイン)の貢献度について説明します。

Cash Appのビットコインは売り上げに大きく貢献。売り上げのビットコイン依存度は高い

売り上げの約70%をビットコイン売り上げが占めます。

この売り上げはビットコインのコスト=売上原価によって概ね相殺されるのですが、流行りのビットコインを購入できることが顧客の維持・獲得につながっているかどうかというのが個人的には興味深いです。

2021年1~3月にかけては大きなビットコインの上昇トレンドの中でしたので、特に売り上げが好調であったことが想像できます。

粗利は現在、概ねセラーエコシステム=キャッシュアプリ。2021年1Qはキャッシュアプリが逆転。

Q1-2021-Shareholder-Letter.pdf (q4cdn.com)

売上総利益:$964M 前年+79%

セラーエコシステム: $468M 前年+32%

キャッシュアプリ:$495M 前年+171%

2021年はキャッシュアプリによる粗利益が初めてセラーエコシステムによる粗利を上回りました。

セラーシステム:上昇するスクエアのGPV=Gross Payment Volume・決済量が0K以上のセラーで+43%成長。

GPV(Gross Payment Volume)

…決済量を表します。販売者のエコシステムからの支払額を表しています。セラーGPVは、処理されたすべてのカード決済の合計金額で構成されます。(返金分を除く)

ユニークな顧客獲得方法について ネットワーク効果の強み。

お客様がSquare Loyaltyを利用してセラーから購入すると、キャッシュアプリを開いたりダウンロードしたりするためのリンクがテキストメッセージで送られてくる、という仕組みで顧客を増やそうとしています。

あくまで私の理解ですが、

例えばセラーエコシステムに加盟している飲食店に行って会計をする場面を想像してください。

この動画36秒~の支払いのアクションをすると、会計をしたあなたのスマホにCashAppのダウンロードに関するメッセージが来ます。

まだダウンロードしていない場合でも使用を検討せざるを得ない仕組みという風に理解しています。

クレバーです。

支払いシーンに消費者の立場だけでなく販売の側からも密接にかかわるスクエアならではの手法だと思いました。

キャッシュカードは、オンラインと店舗の両方で、現金アプリの残高から商品やサービスの支払いに使用できるVisaデビットカードです。参考:Cash Card Topics

↑こんなカード。

カッコいいです。

2021年3月、月間1,000万人以上のキャッシュカード利用者を獲得しました。

キャッシュカードはキャッシュアプリ製品の中で最大の規模を持つ製品です。

食品、交通機関、サービスなど、日常的な買い物にカードを利用されています。

3月には、700万人/週取引され、前年比でほぼ倍増。

第1四半期のキャッシュカードの利用額は、約2.5倍に。

キャッシュカードは、当社の広範なエコシステムへの入り口となっています。第1四半期において、キャッシュカードの利用者は、非キャッシュカードの利用者の約2倍の製品を採用しました。

最後の部分がかなり理解・翻訳に苦しんだのですが以下の理解です。

①キャッシュカードの利用者の購買点数=非キャッシュカード利用者の購買点数×2くらいである。

②なぜ非キャッシュカード利用者が分かるかというと、販売店がセラーエコシステムに加盟しているから。

という理解です。

あくまで想像ですが、販売店とデータでつながっているので顧客の支払い実態の分析にも長けており、支払い実態を分析でき、支払い実態がに基づいてセラーエコシステムへの加盟メリットを伝え、今度は別のエコシステム加盟店を増やす、というようなデータドリブンな営業をしているのではないかと思っています。強すぎます。

Cash App キャッシュアプリの3月の成長を支えた資金流入と消費力。ピアツーピア、家賃、公共料金の支払いにも使われる。2021年のスクエアの成長戦略について

上のグラフは粗利益率とキャッシュアプリへの資金流入額の推移を表しており、棒グラフはほぼ右肩上がりですが、線グラフの月間の資金流入に比例して大きくなっていることが分かります。

資金流入はキャッシュアプリへの入金を意味します。

2021年、Cash Appの最重要戦略課題は、お客様が資金をエコシステムに取り込むことを容易にすること、としています。

これが最終的にエンゲージメントの促進(≒満足度・愛着心)につながることがわかっているようです。

Cash Appのアカウントには様々な方法で資金を投入することができ、主要な銀行口座から現金を追加したり、ピアツーピアの送金を受けるなどです。

消費者の消費力が高まると、Cash Appに資金が集まり、エコシステム全体で使用されるようになります。

とりわけ2021年3月は、主に政府からの支出の増加により、お客様がエコシステムに持ち込んだ資金が2月比で+約55%でした。

資金の使われ方として、消費者同士のピアツーピアの支払、家賃、車関連の支払い、公共料金などの重要なニーズが上位を占めています。

コメント