2020年2月12日じっちゃまライブについてまとめています。
投資にはリスクが伴いますので自己判断・自己責任にてお願いいたします。
機関投資家が生まれてくる歴史と、インデックス運用についての見解を仰っていますが、インデックス運用に万能性を強く感じられている方は一度ご覧いただいた方がいい内容だと思います。
結論「インデックス運用」にも大きなリスクがあります。
機関投資家のルーツは?
フランス革命の後、ナポレオンが登場しヨーロッパで1799~1815次々と戦争をした。
金融の世界でも新しいプレーヤーが出てきた。ロスチャイルド家など。
ヨーロッパ各国はナポレオンの驚異にどう備えるかが問題だった。
イギリスの北、スコットランドのエジンバラという貿易で栄えた都市がある。戦争に出兵する庶民が戦死し家族が残され路頭に迷う
リスクに対し、生活保護の資金をプールし残された家族に渡す運動が起こる。ある種のソサエティといって良い、会社法で言うと相互会社。スコティッシュウィドウという会社ができた。1812年設立。近代的な生命保険会社としてはもっとも古い。
1815年にワーテルローの戦いでナポレオンは負ける。
港町ダンディ。エジンバラの北。インド貿易で儲けた町。1861年アメリカの南北戦争に塹壕をつくるための土嚢、砂袋の輸出を行った。砂袋の原料のジュート(麻袋)(コーヒー豆が入っている丈夫な袋)を売ったことで大儲けした。金儲けの指揮をしたのがロバートフレミング。実業家。儲かった金で投資会社スコティッシュ・アメリカン・インベストカンパニーを作った。投資信託のルーツの会社。
のちにフレミングは証券会社の大富豪のファミリー、ジャーデンマティソンと組みジャーデンフレミングという証券会社を作る。
余談)007はイアンフレミングという作家が書いているが、ロバートフレミングの末裔。
スコティッシュウィドウが後ろ楯(出資者)になりアメリカの鉄道への投資を行った。今日に直すのであれば新興国のベンチャー・最先端技術への投資。
投資信託はもともと個人が普段は投資しづらい対象に対し、行われる非常にアクティブな運用であった。
1946年ネッドジョンソンがフィデリティという投信会社を設立する。
1958年スターファンドマネージャーで、ジェラルド・サイがフィデリティのファンドマネージャーになり、すごいパフォーマンスを出す。
その後ジェラルド・サイはフィディリティから独立。マンハッタンファンドというファンドを設立。ものすごいパフォーマンスを出す。
「ゴーゴーファンドブーム」が起こり、若手のファンドマネージャーが続々登場しファンドを打ち立てる。
1960年代、当時のミューチュアルファンド(投資信託)は、ファンドマネジャー個人の腕前、名声を手掛かりに投資信託を売ることが出来た。(今日ではアメリカにはほぼ存在しない。1980年代後半~1990年代のカウフマンファンドというのが最後になる)
いっぽう1967年に創刊され、インスティテューショナル・インベスターという雑誌(機関投資家が読む業界紙)に、インスティテューショナル・インベスターランキングというアンケート調査があった(アナリストを読者がランク付けする)。このことからも機関投資家現象の本格化はこのころであると言って良いと思う。
それ以前は企業は社内で年金を運用していた。1974年にアメリカでエリサ法が成立。受託者がしっかりした運用体制を持っていれば、その受託者に運用を外注して良いという自由化が起こる。
腕の立つファンドマネージャーが機関投資家を引っ張る時代があった。
インデックス運用について
アメリカの東海岸はバリュー・コリドーと呼ばれ、バリュー投資を専門に行うファンドマネージャーの会社が集中していた。ウエリントン・ファンドという会社のジョン・ボグル(あだ名はジャック・ボグル)社長が、腕の立つゴーゴーファンドマネージャーの会社と自社を合併し大きなパフォーマンスを出そうとするが大失敗、ウエリントン・ファンドは潰れかける。ボグルはインデックス運用に乗り換える。1974年にヴァンガード(インデックス運用/パッシブ運用を主とする会社)を設立する。
1991年ウイリアムシャープという学者が「アクティブ運用の算盤」という論文を書く。「アクティブ運用とパッシブ運用の差はほとんど運用フィーである」と発表した。(論文自体はいい加減なものだったが)パッシブの方がアクティブをアウトパフォームしているというメッセージは重く受け止められ、その後の年金運用においてはパッシブが無視できなくなった。
いま、アメリカの年金は「確定給付型」ではなく、「確定拠出401K」が主流。401K+IRAでだいたい16兆ドルの運用資産があると思う。仕組みとして個々の社員が老後の積み立てをできること(日本でもiDeCoがでてきた)と、インデックス運用は切っても切れない関係。
理由は一般大衆は運用知識が無いため。最初401Kが出た時、ほとんどの消費者はキャッシュのままで401Kを持っていた。すごくダメ(マーケットについていけず、資産をはぐくむことが出来ない。あなたの老後プランは破綻する!)
2003年政府もターゲットデートファンズというものを導入した。年齢に合わせた株式と債券の比率を変更する商品。
年金関係の新たなお金の90%はターゲットデートファンズに流入をした。ターゲットデートファンズの中身はインデックスの為、これは新たなお金はほとんどがインデックスファンドに流れるということを意味した。
パッシブがアクティブを上回るというのは事実であったが、インデックス運用を助長する制度が出来たということになる。
じっちゃまはインデックス運用、パッシブ運用のメリットについて真剣に良いと思っているが、すべてが良いとは思っていない。全く何も考えずにお金を割り振る仕組みに対し、いつか咎めが来るかもしれない。2016年に労働省がフィデュ―シャリールールを変更。「メニューの中にパッシブ運用を含めないと法律違反になる」という改定。アクティブを勧めてアンダーパフォームした場合、企業が有罪になるかもしれないという法律が成立。その後さらにパッシブ運用が優勢になる。今ヘッジファンドの多く、アクティブ運用のほとんどはアンダーパフォームしている。αアルファ(利益、指数による寄与(β ベータ)を超えるパフォーマンス))がほぼない。この理由の一つに指数信仰が出てきたので指数以外がパフォーム出来ない現象が起きている。このゲームはいつか暴落などによって終わると思う。ただし、10年後かもしれないし、20年後かもしれない。(自分のリタイアより後かもしれない)
インデックス運用に関するまとめ
- インデックス投資は意識する必要がある。ストックピッキングのみに時間を浪費すべきではない。
- インデックス採用銘柄の中でも大型株に資金が集中しがちである。大型株と小型株のどちらがアウトパフォームしているかというと大型株になる。それは構造的な問題。仕組みが変わらないと変わりづらい。
- ほんらい、他人にお金を預けるという行為(アクティブ運用であり銘柄選び)に必要なのは、良い企業、経営者、ビジネスモデルを選ぶということ。しかしインデックスはそうではない。インデックスは指数に採用されている限り会社の良し悪しに関わらず、インデックス内の構成比率に合わせてお金を渡してしまうということになる。「インデックスに採用されている」ということが一つの特権になる。悪い企業にも資本が投入されるということ。指数が上昇していることと、指数を構成している企業が社会にベネフィット(価値)提供をしているかは別問題である。指数だけについていくことでの大失敗は1989年ころの日本。バブル崩壊。インデックスを単純に考えないでほしい。
感想
じっちゃまライブに関して感想を書くのは初めてだが、特にサラリーマンのように決められた仕事をする人にとって、「インデックス系投資信託」か「ETF」か「個別」か。もしくは「パッシブ」的な運用か「アクティブ」的に運用するのか、ということも大事だと思う。
わたし自身は、「インデックス投資」を投資2年目で少しおこないはじめたところ。逆を言うと投資をはじめてほぼまる2年経つまで「投資信託」「ETF」というものを持っていなかった。
そもそも投資=株を買うこと、と捉えていたので個別株の売買を行おうと思って投資をはじめたためだ。
その他の投資に関するアクションについては「持ってもいない株を売る」など個人的には「よくわからない行為・仕組」がたくさんある中で最初からインデックス投資というものについては視野になかった。
ただ、投資をしていてインデックス投資や、インデックスを知らないということは有り得ないくらいのメジャーな投資手法であるため、不勉強な私でも友人と投資の話をしていく中でインデックス投資の存在を知り、同時に周囲には「インデックス派」が多いということを知った。
インデックスについて友人はVOOに投資することはAmazonに投資することにもなり、もっと度合いを強めたいのであればQQQという選択肢もある ということを教えてくれて、これは非常に正しいメッセージだった。※当時Amazonを買ってみたところである。しかし、初心者ゆえの違和感があり、それは
QQQを買っても90%はAmazon以外への投資をするってことだよね?
ということ。
ほかの90%については投資したくない銘柄も含まれていることが、とてもイヤな感じであった。結局未だにQQQには手を付けていない。
このころの疑問に「スパーン!」と答えてくれるかのようなこのライブの内容は本当にわかりやすくて、〆のメッセージ、インデックス運用に関する3つの注意についてはまさに知っておくべき構造と注意点であったと思う。
自分にはストックピッキングに時間を浪費するな、というメッセージが響いたし、大型株への資金の集中についても考えればたどり着くことかもしれないが知っておくべきことで、ちょうどTSLA テスラもS&P500採用になる発表があってから12月18日まで株価が上がり続けたことと、指数採用銘柄の特権の話は結びつくことと捉えている。
また、特に最後のメッセージは強烈で、インデックス運用に万能性・最もリスクの少ない手段であるという確信の元考えをやめてしまうことが最も恐ろしい事であるという結論に至っている。
むろん仕事をしながら夜な夜な米国株の動向に気を取られていたり、IPO初日の値動きに右往左往したり、日本株を昼間に何度もチェックするようなことは普通に働くサラリーマンにとってはあまり良いことではないと思う。一方インデックス投資の安全性だけを妄信することや、インデックス採用されているほかの銘柄にだまって投資をしてしまっている状況を継続することは、勉強という意味でもリスク管理(チャンスロス含む)の面でも決してベストでは無いと捉えている。
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