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九条の大罪 第59審 あらすじ ネタバレ注意
小山と打ち合わせ予定のAVのスタジオに壬生を呼び出す京極。
京極はなぜか犬飼と菅原から3億要求されていることを知っていて、間に入ってやろうか、という。
自分のケツは自分で拭きます、と言う壬生。
数馬は壬生の紹介で九条を訪ねている。
事業が成功し、気分が大きくなったものの、寄ってくる連中はろくでもなく、承認欲求を満たされず、酒などに散在してしまっていることを九条に告げる。
その中で数馬を「特別な人間」と言い、月利10%の配当をうたう、ライップスコーポレーションの代表取締役、「知恵光院翔(ちえこういん しょう)」に全財産と借金を足した4000万円を追加投資、その後音信不通になったと言う。
詐欺の立件は難しいとしつつも、証拠を示せば返金に応じる可能性もある、でも期待せずにと言う九条。
路上でストロングゼロを三缶ほど飲んでいる数馬。愚者の偶像②で壬生に「100万円を貯めてみろ」と言われた後、缶コーヒーにたばこを詰めながら千歌を待っていた、千歌のアパートの前の階段だ。
ピンヒールで帰ってくる千歌だが、帰りが朝である事に数馬は苛立ち、特にいまお金をせびられたわけではないが、「タク代乞食」と罵り、乱暴に握った3万円を地面に投げつける。
そういうお金の使い方をする人は3年で消える、と言う千歌に
「何股もしてる糞ビッチ」とか「小山を部屋に連れ込んでいることを知ってる」とか、「俺より稼いでから指摘しろ」とか、罵声を浴びせる。
その騒ぎ声を聞いて、近くにいた菅原が「何そいつ」と言う。隣には犬飼も一緒だ。
九条の大罪 第59審 感想
とりあえず久我はそのまま持ち去られてしまったようで、壬生には1か月くらいの猶予があるようだ。
不良界隈では簡単に京極に情報が入る、ということなのか、それとも菅原あるいは周囲の輩たちの中に壬生を観察して京極に苦境を伝えるものがいるのだろうか。
ヤクザの京極と半グレの壬生のやり取りは「ウシジマくん」でいうヤクザの熊倉と闇金の丑嶋のやりとりとほぼ一緒である。
全く同じやり取りは無かったかもしれないが、常にヤクザの熊倉は丑嶋からお金を取ろうとしていたし、丑嶋は上手くいなしながらも、適度な距離感とある一定の服従はしていたように見える。
ただ京極と壬生の間にあって、熊倉と丑嶋の間にないのは強烈な因縁であり、結果的に丑嶋は熊倉を銃殺するが、それは熊倉が偶然にも辱めを受けているところを目撃してしまった以上、いずれ自分が消されると思ったとか、つい先ほど親友の加納を殺した相手だから、とかそういう理由であり、もともと殺意を持って憎んでいたわけではないと思われる。
京極は前にもカバンをひったくられたときに壬生が裏で何か良からぬ企みをしているのでは、と疑っていた。「おもち」を殺させたことは「壬生の意思」としつつも、確実に自分が恨みを買っていることを理解しつつ、リスクのある壬生を身近に置いている。
なかなかメンタルがバグっているというか、胆力があるというか、捉えようのない人間であり、器の大きさを感じさせる。
数馬は詐欺師に遭ってお金をなくしてしまった。九条が取り戻せるかは不明だ。
以前、草コイン関連の急な暴騰が怪しいと思っていたが、よくよく考えてみれば、一応自分のお金を10分の1に割り振って買っているのだから普通に勝ったのかもしれない。
もしくは草コインの仕組みを知らないので憶測で述べるが、特定の人物の買いでものすごく価値が乱高下する性質のものならば仕組まれた暴騰、というのもあったかもしれないが、もしかしたら詐欺師の「知恵光院翔」のほうが壬生の仕込みなのかもしれない。
智恵光院というのは京都御所と北野天満宮の間くらいで、京都駅から北に上ったところのようだ。
壬生は京都駅付近で側近の久我は京都駅からちょっと南に離れて伏見の地名、一方「智恵光院」は偽名っぽいが京都駅にやや近い。
ひょっとすると重要キャラかも、という気持ちがあるが今のところしっかりした詐欺師である、ということしかわからない。
もう一つ、知らなかったが伏見の久我とは別に久我神社というのがまたあるようで、「壬生」が地名ではなく「壬生寺」を指すとすると、そういう建物系のキャラとして別途「おもちメンバー」なんかも隠されているのかもしれない、と思った。
ちょっと京都に詳しくないので京都と言ったら大体地名の付くような寺や神社があってもおかしくないかもしれないが、とにかく壬生は果たして一人でケツを拭けるのか、というのが気になっている。
お金持ちの気持ちはよくわからないが、どうもお金だけでは得られないものがある、ということを数馬は気づいたようだ。
「特別な人間」というのが数馬が得たかったことで、お金をある程度持つと、お金自体は誰もが持てるもので、お金持ちにも上には上がいる、そういう状態であれば例えば1000万円もっているとか1億円持っているということは「特別」ではないのだろうか。
数馬は全財産+借金で4,000万円を持っていることになるから、無駄遣いをしたのかもしれないが現金や使用可能なお金が4,000万円持っていなかったということになる。
そうなると、今の数馬が稼いだ金額というのはきっと壬生が求められている3億円にはまだ足りていないのでなないか。また、智恵光院も数馬から得た利益は最大で4,000万円、たぶん4,000万円を突っ込む前に1回くらいは配当を出しているので支払った配当と最終的に振り込まれた4,000万円の差額である例えば3,000万円とか、そのくらいを持ち逃げしたのでは、と思われる。
当然これも3億円には全然届かない。
九条の大罪 第60審以降の展開は?
全然展開が想像つかず、毎週楽しみであるが、ともかく自暴自棄になっている数馬がついに菅原に発見された。
こうなると、「数馬のことを知っているはずのない」菅原が数馬を知る、ということになる。
普通に考えて、あまり壬生にプラスに働くことはなさそうである。つながっているとも思えない人間から自分の情報が漏れたりするリスクになるからだ。
全然次週以降の想像はつかないが、強いて言えばこの遭遇が偶然としては出来すぎているように思える。つまり、知るはずもない数馬との偶然コンタクトで完全に有利に立ったと思われる菅原/犬飼であるが、例えばこの出会いが必然だとするならば、逆に何かしらのピンチを招く火種なのかもしれない。
そして、ひょっとすると菅原から見て「千歌のことを知っているはずもない」壬生が実は千歌の知り合いでこの偶然の出会いを演出しているとか、そういうことは無いのだろうか、、と思う。
というか、千歌と壬生は会話をしていないのですっかり忘れていたが、愚者の偶像①で数馬の勤めるサパーで小山の愛人として壬生と会っている。なんか怪しい。
壬生は高い単価のものを売ること、最終的には会社を売るのが一番儲かる、と言っていた伏線がまだ宙ぶらりんである。
なんとなく菅原が会社を買わされそうな気がする。
もう一つ、愚者の偶像①を見返すと小山が会社を買収して喜んでいた。その際に九条と烏丸も横にいたので、一見すると時間軸的には小山の買収→九条と烏丸の別れなのだが、別れ→再開→買収という時間軸で、最後の結末部分の「買収」だけが先に書かれていることもあり得なくはないように思える。
もし会社を買わされるのが小山なのであればどうなのだろう。
たぶん一般的な良い買収、安く買える、とか既存の事業との相乗効果が得られず失敗した、とかそういうことではなく「壬生に仕組まれて会社を買わされる」というのはもっと露骨に良くないことで、買った側になにか強烈な不幸が訪れるに違いない。
小山が不幸になれば、小山に近しい京極にとって都合の悪いことに思える。
そして、今壬生にとって厄介なのは京極でもあるし、目の前の菅原と犬飼でもある。
もしかしたら菅原サイドと京極サイドをぶつけるようなウルトラCも、壬生ならすでに考えているのかもしれない。少なくとも犬飼の出所のタイミングを理解していたのであれば、なんらか手の込んだ仕掛けをすることも十分に可能そうだからである。
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