九条の大罪 第19審 家族の距離⑪ 感想

真鍋昌平 ビッグコミック 九条の大罪 漫画

今回は「菅原・山城サイド」と「家守・九条・壬生サイド」の対決が描かれた。一気に対決の中身が明らかになった。

コミックス2巻が5/28頃発売予定のようです。

1巻は好評発売中。

これまでの登場人物
  • 九条 間人(くじょう たいざ) 弁護士
  • 鞍馬蔵人(くらま くろうど)検事。九条の実兄
  • 烏丸 真司(からすま しんじ)九条の事務所のイソベン(=居候弁護士。弁護士事務所に雇われている弁護士のこと)
  • 壬生 憲剛(みぶ けんご)自動車整備会社社長・コワモテ
  • 流木 信輝(ながらき のぶてる)白髪の高齢の弁護士 九条の父と面識あり
  • 山城 祐蔵(やましろ ゆうぞう) 弁護士 九条の父と面識あり
  • 菅原 遼馬(すがわら りょうま) 介護施設輝幸代表 輩
  • 久我(こが) 菅原の部下
  • 家守華恵(いえもり はなえ) コンサルティング会社経営
  • 佐恵子 家守華恵の義理の妹
  • 金本 卓(かねもと すぐる)大柄な不良 力士を目指していたらしい 父がヤクザ
  • ミヨコ 金本の同居人
  • 曽我部 聡太(そがべ そうた) 配達員 壬生の後輩の下の人間らしい
  • 薬師前 仁美(やくしまえ ひとみ) ソーシャルワークつぼみ代表の女性。烏丸の知り合い
  • 宇田川 良子
  • 嵐山 (あらしやま) 刑事
  • 森田 ひき逃げ犯
  • 郷田 ヤクザ風の男

九条の大罪 第19審 あらすじ ネタバレ注意

ボウリング場から山城に電話をする菅原

「折れた肋骨にデコピン」、「冷えたレトルトカレーを無理やり食べさせる」、「文句を言うなら胃ろうにするぞ」、などの悪行がネットにさらされている

入居者の親族か従業員による告発を探っているという菅原

疑いの対象である久我をシメているようだ。土下座をして頭を踏みつけられている。

行政処分を受けないように動いてくれと依頼する菅原に、年長者にそんな口の聞き方はするものじゃないと諭す山城

家守を痛ぶり遺言書を書く練習をしていた動画が世間に流出したらどうなるかという菅原

怒りながらも裏で糸引く人間に心当たりがあるという山城

車のドアを半開きにしハンバーガーを食べる九条。今日は忙しくなると烏丸にいう

ホテルの部屋のガラスに突きをする山城。

九条め、クソぉ、と絶叫し拳から血を流す

場面がボウリング場に戻る。菅原はひとしきり暴行を加えたあとと思われ、さらに久我に自白を迫るが何も知らないという久我。

寝かせられた久我の頭に思いっきりボウリングの球を投げ込む菅原。

菅原はボウリング場を買い取り、巨大介護施設にして儲けようとしていたようだ

病院で警察の聴取を受ける久我。「酔って転んだだけ」と言い訳をして収める。

「おもち」メンバー5人のライン。ラインの相手は壬生だ。

クラブでの暴行、そして恐らくはデコピンもすべて久我が壬生に漏らしていたのだ

不敵に笑う壬生。

つづく

九条の大罪 第19審 感想

いよいよ菅原・山城サイドがピンチである。が、それ以前に衝撃の事実が明らかになった。

ライングループ「おもち」壬生の仲間は5人

壬生のライングループは5名である。そしてここでもおもちというワードが再登場した。

2つ分かったことがあり、愛犬の名前はおモチでもお餅でもなく「おもち」であると思われること、そして壬生の「おもち」への愛はホンモノであるということである。

ライングループを作ったことがある人は多いと思うが、通常グループごとのテーマや、組織の名称などをもとにグループ名は設定する。

自分の愛犬というまったくもって他人にとって関係のない言葉を知的な壬生が設定する理由はほかならぬ「おもち愛」であり、彼が体にタトゥーとして刻んでいるように、「everlasting love rice cake」=永遠のおもち愛は決して褪せることはないのである。

菅原・山城の関係性と山城の九条への怒り

今回は山城が菅原に対し口のきき方を注意するシーンと、その後菅原が動画が流出すれば困ると言って脅しているシーンが印象的だった。

私の読解が不足しているのかもしれないが、山城はまず菅原に対してビビっていない。それは言葉から明らかだが、菅原も「万が一動画が露出したら」と言っている。

当初よく意味は分からなかったが家守父が遺書を書くシーンは割と堂々と撮影されていた。なぜ撮影をしているのかは未だによくわからないが菅原は、万が一の際、手元の動画を拡散してしまえば山城も同罪となり、逃げられないということを画策していたように思える。

その後のホテルでの山城の九条への怒りは、物事が思い通りに行かない怒りであり、明らかに山城は冷静さを欠いている。

九条が対決姿勢を明確にした際には怒りをあらわにしていたが、それでも一定の自信をのぞかせていたが、今は逆に追い込まれたことを認め、ただ単にうまくいかないことに対してストレスを発散しているように見える。

九条をよく知る山城としては九条が動いてしまった以上もうどうにもならないという観念をしているのだろうか。

いっぽう菅原は情報の出所を抑えれば何とかなると思っているのか、久我を傷めつけていた。

病室に盗聴器を仕入れたり、ビジネスをしたり、クラブでハイキックをお見舞いしたりと最近活発さが目立つ菅原だが、不良には違いないものの、頭も切れて勘も働くのだろう。

久我が怪しいということをかぎつける菅原のセンスは間違えていないものの、LINEで事の顛末をライトな感じで伝える久我、そして久我を擁する壬生サイドが何枚も上手である。

久我は強いということが判明

今回一番輝いたのは久我であろう。

京都の地名を与えられているだけあって、彼も今後再登場の可能性のあるキャラクターに違いない。

15審のやり取りから見ても、優秀そうであることは見て取れたし、汚いコーヒーを一緒に飲むという事含め、菅原としては腹心的な立場に思っていたに違いない。

二人の関係がいつから始まったのか、あるいは壬生がいつから久我をスパイにしていたのかは分からないが、たった5人しかいない「おもち」メンバーの一人であり、壬生と久我を除くとあと3人ということになる。

壬生をウシジマとすると江崎とか加納とかの立場になるであろう人物なのでは、と思われる。

九条の大罪 第20審以降の展開は? 余裕の壬生。決着は近い。

裏を突く内容が明らかになった。おおむね九条再度の仕掛けは以上ではないか。

菅原も介護施設の拡大の話はパーになったと言っており、山城も自暴自棄にガラスを殴っている。どちらかと言えば冷静なのは菅原に見えるが、17審の動きを見る限りこのまま菅原がのうのうと商売を続けるという結末はあり得無さそうである。

壬生もダークサイドの人間である。土下座の動画などは世間には出回らないだけではなく、菅原は今後まともに活動が出来ないであろうと思うべきだ。

壬生はちょっと茶目っ気があるが残酷なところがウシジマくんのキャラのようで、ウシジマのようでもあり滑皮のようでもある。

金本殺害シーンが印象的だが今後も魅力が増していきそうなキャラクターで、九条とダブル主人公のような形になるのかもしれない。

20審以降はもはや菅原サイドに逆転の目はなさそうだが、菅原、山城がどうなってしまうかが見どころ(心配)である

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