九条の大罪 第17審 家族の距離⑨ 感想

真鍋昌平 ビッグコミック 九条の大罪 漫画

コミックス2巻が5/28頃発売予定のようです。

1巻は好評発売中。

これまでの登場人物
  • 九条 間人(くじょう たいざ) 弁護士
  • 鞍馬 蔵人(くらま くろうど)検事。九条の実兄
  • 烏丸 真司(からすま しんじ)九条の事務所のイソベン(=居候弁護士。弁護士事務所に雇われている弁護士のこと)
  • 壬生 憲剛(みぶ けんご)自動車整備会社社長・コワモテ
  • 流木 信輝(ながらき のぶてる)白髪の高齢の弁護士 九条の父と面識あり
  • 山城 祐蔵(やましろ ゆうぞう) 弁護士 九条の父と面識あり
  • 菅原 遼馬(すがわら りょうま) 介護施設輝幸代表 輩
  • 久我(こが) 菅原の部下
  • 家守 華恵(いえもり はなえ) コンサルティング会社経営
  • 金本 卓(かねもと すぐる)大柄な不良 力士を目指していたらしい 父がヤクザ
  • ミヨコ 金本の同居人
  • 曽我部 聡太(そがべ そうた) 配達員 壬生の後輩の下の人間らしい
  • 薬師前 仁美(やくしまえ ひとみ) ソーシャルワークつぼみ代表の女性。烏丸の知り合い
  • 宇田川 良子
  • 嵐山 (あらしやま) 刑事
  • 森田 ひき逃げ犯
  • 郷田 ヤクザ風の男

九条の大罪 第17審 あらすじ ネタバレ注意

飲酒運転と証拠隠滅について問われ動揺する森田

「あの若者が壬生に繋がるのか」と問いかける若い付き人(刑事?)

今はヤクザから裏情報を取れないので弱いやつからとる。と嵐山は言う。

ヤクザは「うたわない」が半グレは「うたう」ようだ。森田は森田建設の息子らしい。だから壬生が森田の相手をしている、という嵐山。

クラブで輩がセキュリティと揉めて乱闘している。客を押し退けて入れ墨の男が入っていく。

フロアでは菅原のハイキックが顔面に炸裂している。

「おう壬生遅えよ。」と菅原

壬生の後輩が管原のケツモチしているクラブを襲ったようだ。問い詰める菅原に

壬生は「違います」と丁寧語で答える。

納得せず、土下座での詫びを要求する菅原。

土下座しないと後輩の足を砕く、と壬生にけしかける。

その言葉を危機、フロアに土下座する壬生。

菅原の仲間である久我がスマホでその様子を撮影している。

さらに、菅原は迷惑料500万円を要求する。

七輪に焼かれた肉。九条が屋上でバーベキューをしている。

屋上には烏丸と壬生もいる。

豪快に肉をかじる壬生。そして、USBを九条に渡す。

その様子を向かいのマンションから撮影するのは、嵐山刑事と付き人である。

続く

九条の大罪 第17審 感想

前回「裏を衝く」といった九条であるが、今回を見る限り壬生のUSBの中に隠されたデータがポイントとなりそうである。

菅原は壬生の先輩?

今回はみんな大好き?壬生さんの登場である。

いつまでもおモチLOVEであるあの壬生さんの登場に私は少なくとも興奮した。

いやに素直に土下座する壬生をみてシンプルに菅原がそこまでの強者であったかと思ったが、どうも壬生の作戦のようだ。

ちょっと気になるのは普段の序列的にも壬生は菅原の先輩や菅原以上の強者ではないようで、見た目からではよくわからないがかなり若いのかもしれない。

弱ったふりをして実は相手の自滅を狙うというのはウシジマくんでよくみられる場面で、特にウシジマサイドが頻繁に使った手段であるが、壬生は同様に非常にクレバーなのだと思われる。

かなり太い腕をしているので単純な武力も高いと思うが、ウシジマくんのように武力に加え知略であったり、普段は自分を決して強く見せない擬態のようなこともしているのだと思われる。

菅原は完全に壬生を喰ってかかっていた。単純に年齢が上なのかもしれないし、地元での序列のようなものが上なのかもしれない。あるいは見事に顔面を捉えたハイキックのような体術に勝る為、菅原が自信があるということかもしれない。もしくは菅原のいるダークな世界からすれば、相手を喰ってかかる、絶対にナメられない、ということは当然なのかもしれない。

ただ、菅原の油断の背景を察するに、どこか壬生は日常的に自身を大きく見せないような迷彩をほどこしており、じっさいは武力でも組織力でも菅原が思うよりはるかに強い男であるにもかかわらず、上手に隠しているように思える。

嵐山の警戒も特に壬生に対しては厳しいものがある。

これは明らかに小物である森田の扱いにおいても同じことが言えて、壬生の暴力というのはなかなか明るみに出ず、嵐山をはじめとした警察も手を焼く存在であることが想像される。

ウシジマくんはうさぎをこよなく愛していたが、壬生は犬好き、もしくは愛犬を溺愛していたようなので、これからほのぼのしたエピソードなども多少は出てくるかもしれないが、今のところスマートな悪人という印象である。

壬生のUSBの中身、菅原の恐喝の録音

USBの中身は音声などであろうか。

最初はケツモチとかそういうところが違法なのかと見返してみたが、しっかり恐喝している。

どう考えてもダメである。

問題は壬生の土下座の動画なども残っており、これが拡散しているのかどうかということだが、恐喝の材料として動画は菅原や久我のスマートフォンに残っており、必要最低限の範囲でしか保管されていないのではと思っている。

つまり壬生は土下座したもののその事実が大っぴらになることなく菅原が逮捕されるなりの結末を迎えるのだと思う。

というか壬生の演技とはいえ、ここまでのことをしてしまった菅原は間違いなく悲惨なことになりそうで、どんなにベターな結末であってもこれまでのように裕福な暮らしなど出来ないのではと思う。

壬生の人間性と家守との関係

こうなると壬生と家守の関係性についても謎は残ったもののある程度の答えは見えてくる。

金である。

壬生は金目当てで家守に近づき、わざわざ自ら体を張ってこの場面を演出し、結果的には取り戻した遺産の一部などの一部をもらう算段なのか。

あるいは壬生であればもっと荒っぽく回収した財産をすべて奪ってしまうような悪ーいことも考えているような気もする。

きっと壬生は愛犬おモチを失ったショックによりダークサイドに堕ちてしまっただけで本当は良いやつ

ということはきっとないのであろう。残念である。

九条は壬生を使って裏を突くのか?山城との決着は近いか

前回裏を突く内容として介護施設のおじさんたちに注目したが、予想は見事に外れ、彼らの登場の機会はないかもしれない。

しかし、単純に菅原が逮捕されたからと言って山城がお金を返す、あるいは介護施設輝幸の不正が暴かれる、というのにはまだ何か足りないような気がする。

特に菅原は今回壬生と九条の策略に嵌った形であり、既に破滅のフラグがたちまくっているが、果たしてシンプルに逮捕されて金本のように何かを喋ってしまいそうになるような感じもしない。

バーベキューをする九条たちは既に楽勝ムードであるが、山城からどのような形でお金を出させるかというのがポイントになってくる。

九条の大罪 第18審 の展開は?

感想では触れなかったが、嵐山たちが不気味である。

もちろん、切れ者の九条や壬生が単行本3巻などで何らか破滅を迎えるということは決してないと思うが、ほかの登場人物と違い九条や壬生についてしっかり警戒をしている強キャラ感があるためだ。

九条については直接法を犯しているわけでは無いと思うが、壬生の仲間として不穏に思っているのか、あるいは森田のような人間の悪の片棒を担ぐ者として許せないのか、嵐山の動機は今のところ分からないが壬生を警戒ていることは既に口にしていたので前者のニュアンスは含むと思う。

あるいは菅原と合わさり悪事に間接的に加担する山城のように、九条が直接間接的に犯罪を助長していると疑っているとも思われる。

「家族の距離」で嵐山との争いが決着することは想像できないが、今後もルパンと銭形のように追っかけまわされるのかなと想像している。

漫画雑記
スポンサーリンク
Tをフォローする
みちログ

コメント