九条の大罪 第12審 あらすじ ネタバレ注意
一般社団法人輝興儀(きこうぎ)への全額の寄付を遺言状に書かされる家守の父
字は子供の書いたような、字というより絵のようなメチャクチャな感じだ。
菅原遼馬がスマホで写真を撮っている。長袖の裾からは入れ墨が見えている
社団法人の代表は菅原だ。
九条の事務所。
申し訳ないが今回の案件は断るという九条
何でと詰め寄る家守。壬生から勧められてどんな面倒な案件も断らないから九条を頼ってきたようだ。
繰り返し断る九条に、
本来ならこんな場末の事務所には来ない、態度が悪いと捨て台詞を吐き家守は帰る。
九条が依頼を断るのを烏丸が見るのはこれが初めてらしい
「利益相反」のおそれがあるから断ったようだ
山城はもともと人望暑く尊敬されていたが、筋の悪い客から勧められた投資に失敗、反射に穴埋めをされてから縁が切れなくなった
と九条
場面変わり流木を訪れる九条「法は道徳の最小限」というイェリネクという法学者の言葉を紹介される
「依頼者の利益のために努める」のが弁護士であると説明する流木。
知識不足ゆえに弁護士のいいなりになる依頼者を騙すのは弁護士サイドからすれば簡単である、暴走する山城を止められるのは九条だけだと告げる
山城に電話をかけ、申し訳ないが家守の相続の件で話があると告げる九条
つづく
九条の大罪 第12審 感想
いきなり山城と対決していくのかと思ったが九条は依頼を断った。
ここは少し意外で、僕は九条弁護士はどんな依頼でも依頼者の善悪や仕事の貴賤の判断なく依頼者を扱い、平等に依頼を受けるものと思っていた。
それは烏丸も同じように捉えていたのか、断ることを初めて見た、と告げている。
逆を言えば仕事を受けてからは絶対に特別扱いはしない、基本的に仕事はすべて受けるが、仕事として行う以上、山城との敵対は明らかであり、そのような状態を望まない九条としては受けずに済む仕事なら避けたいということなのだろうか。
最終的に九条は仕事を受けたのかは不明だが、「家守の件で」と明確に断ったうえで山城に連絡している。
山城と菅原がグルになり家守の父に遺書を書かせているシーンは冒頭書かれたので、一般論でいえば山城と菅原は「悪い人」で本来は法によって裁かれるべき人であることには違いないが、山城が抜け道を探すことで明らかな悪事を働いていても今までは何とかやり過ごしてきたという構図かと思う。
前回の山城の口ぶりからは輩的な連中と仕事をしていることは否定しなかったが、弱みを握られているようなことは言っていなかった。可愛い後輩である九条の前ではあくまで苦悩していることを隠したかったのかもしれない。
九条が電話をかけたということは後には引けないということを意味し、話の中心は家守と九条になってくるのかと思える。一方今回のタイトルは「家族の距離」というものであり、山城にとって九条は家族のように大事であることは前回言われていたが、九条にとっても依頼を躊躇するほどの関係性であることが垣間見えた。
父を失っている九条の人間性についてはまだ底が見えない部分はあるが、山城は心の拠り所と言えるような存在なのかもしれない。
山城が悪事に手を染めている原因もある程度わかってきた。筋の悪い人間から投資を勧められて。。というような比較的よくあるような手段であるが、特に金に困ることはすくなさそうな優秀な弁護士っぽい山城が投資をせざるを得なくなるような状況とは、脅しによるものなのか、金銭的なトラブルなのか、なにか悪い人間があらかじめ山城を巻き込んでいく計画性、ストーリーの一部のようなものを感じる。
悪い人間で言うと今回も壬生の名前が出てきた。一見して普通っぽい家守がなぜ弁護士を壬生のような人間に紹介してもらう必要があるのか、これも謎である。
「たまたま自動車の修理をしてもらった工場の社長と仲が良くなったが、実は悪い人だった。」「朝犬の散歩に出ていた壬生と家守がばったり会って立ち話をした」というようなシチュエーションを想像するのはこれもまた無理があり、何らか計画的に壬生周辺の人間がお金を持っていそうな家守一家に巧妙にアプローチしたと考えるべきではないだろうか。
特に気になるのは家守は「わざわざ壬生に紹介してもらって場末の弁護士事務所に来た」というような文脈で語っていて、これは
①何としてでも解決したいのでリスクを冒して壬生のような怪しい輩にまで頼んで腕利きの弁護士にたどり着いた
②壬生のいう事については一定の信頼があるため、場末の弁護士事務所まで来た
のいずれかのように思えるのであり、普通に見ていると②のニュアンスを感じるのである。
前回もあっさりと金本を殺してしまった壬生だが今回や今後も何らかの悪事を行うのではと心配である。
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