「窓を開ける、空けた窓を埋めに行く」とは。チャートでわかる 株式用語のカンタン解説

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株式の勉強をしていると専門用語がいくつか出てきます。

実際にどういう状況なのかを比較的最近のチャートを使って説明します。

投資にはリスクが伴いますので自己判断・自己責任にてお願いいたします。

FX・為替での窓開け、窓埋めについて

FXにも窓開け、窓埋めという概念は存在するようですが、私自身FXについてはどういった形で値段が決まっていくか含め、あまりよくわかっていないのでここでは紹介いたしません。

「窓を開ける、空けた窓を取りに行く」チャートで見る株式用語「窓開け」「窓取り」について

以下のようなチャートでいくつか「窓」が見られます。

これは2020年7月~12月のZM ズームビデオのチャートです。

8/31(月)の終値に対し、9/1(火)の始値がはるかに高い状況で始まっているため、2つのローソク足に空間が空いてしまっている状態を指します。

この窓は特に大きく見つけやすいですが、他の窓に関してもローソク足は基本的につながっているため、比較的発見しやすいです。

では、窓を開けるということについてもう少し見ていきます。

具体的には、8月31日(月)終値$325.1に対し、9月1日(火)の始値$438.79です。

なぜ窓が開いたのか

基本的にはつながっているはずのチャートに空間ができる=ちょっと特殊な状況という捉えでいいと思います。

このZM ズームビデオの場合は、8月31日の引け後の決算がメチャクチャよかった。というポジティブサプライズがありました。

このように時間外にポジティブ/ネガティブな材料が発生し、買い/売り注文が殺到することで窓を開けるチャート(前日終値と乖離のある始値)が出現します。

チャートで窓が開くとどうなるのか 窓を埋めるという株式用語

「窓を埋めに行く」という言葉があります。先ほどのチャートでいうと、以下の部分の動きを指します。

一時は$478をつけた株価ですが、9月11日の終値は$383、9月11日の安値は$373.05と、かなりの下落をしています。

窓を開けるチャートの場合、その後よく見られる動きとしてはこのように「窓を埋める」値動きです。

これは一時的に高値を付けた株価に対し、飛びついた投資家が利を出して売却(=ふるい落とされている)ような現象です。

その先を見ていただくと、窓を埋める動きをしたのち、上昇をしています。売らずに保持をしていた投資家と、一定レベルで株価が落ち着いたのを確認していた投資家による買いが入ったことなどが想定できます。

窓を上に空けた時だけでなく、下に空けた時も同様の想定があり得ます。

ここでのサプライズ要素は、

①ファイザーがワクチンの治験の予備解析で90%の感染を防ぐという効果の発表。「在宅・リモート銘柄」にとってのネガティブサプライズ。

②米国10年債利回りが、0.83%➡一時0.975%➡終値0.924%と急上昇(前日比11.22%上昇)したためで、金利上昇がネガティブに働くハイパーグロース銘柄の代表格であるZM ズームビデオにとってはネガティブサプライズ。

いずれも「悪い」ニュースでしたので窓を開けて株価が下落しました。

なぜ窓を埋めるのか。投資する側の心理で推測。

たとえばあなたの持っているパソコンが今日10万円で買ったものの、明日15万円で売られていて、ちょっと使ったくらいだったら12万円で売れる。みたいな状況だったらどうしますか?

もちろんパソコンは必要だから買ったわけですが、ちょっと売りたい気持ちも出てくるのではないでしょうか。

一方それを見た友達の太郎君は昨日10万円だったものが突然15万円になっている。という状況で買いたい気持ちになるでしょうか。

もしかしたら、さらにこのパソコンが20万円に値上げされたらどうしようと慌てて買う人も居るかもしれませんが、さすがに高すぎるので次のセールか何かでちょっと値下がりするのを待つ、昨日買った人に対して損をするような気になって、すぐには買えないんじゃないかと思います。

窓開けのときに働く投資心理はこんな感じではないかと思っており、売りたい人は一部存在するが、買いたい人はあまり居ないのでは。というシンプルなものでないかと思います。

窓開け、窓埋めに関しての原因分析について

先ほどの例でいうサプライズ要素として「好決算」「ワクチン開発」「金利上昇」がありましたが、

  • 「好決算」で空いた窓を埋めたが「好決算」自体は変わらない。ある程度上昇は期待できそう
  • 「ワクチン開発」「コロナ終息」は予定より少し早いかもしれないが、いずれ起こる未来だった
  • 「金利上昇」は予定より早い景気回復に対して、少し影響が心配だ。

などと原因について分析・解釈をすることも必要そうです。

「窓は開ければ必ず埋まる」というものでもない。タイミングにも注意。

必ずしも窓を開けたら埋まるというものではないということを補足します。

圧倒的不祥事などで株価が下がった場合、少なくとも簡単に回復をすることは想定しづらいと思います。

また、タイミング的にも空いた直後に埋まっていく場合と、緩やかに埋まっていく場合などもあります。

窓開け後の窓埋めは頻繁にみられる現象なので、一つのパターンとして意識しておいた方がいいかもしれません。

先ほどのZM ズームビデオ2Qの決算で、窓埋めという現象を知っているか否かで、下落局面でも判断や精神状態が違いそうです。

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