九条の大罪 第67審 至高の検事③ 感想

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これまでの登場人物
  • 九条 間人(くじょう たいざ) 弁護士
  • 鞍馬 蔵人(くらま くろうど)検事。九条の実兄
  • 烏丸 真司(からすま しんじ)九条の事務所のイソベン(=居候弁護士。弁護士事務所に雇われている弁護士のこと)現在は流木の事務所に勤める。
  • 壬生 憲剛(みぶ けんご)自動車整備会社社長・コワモテ
  • 有馬 (ありま) 弁護士
  • 嵐山 (あらしやま) 刑事
  • 植田 篤彦 自殺をしたおじさん 口が悪かったらしい
  • 流木 信輝(ながらき のぶてる)白髪の高齢の弁護士 九条の父と面識あり
  • 山城 祐蔵(やましろ ゆうぞう) 弁護士 九条の父と面識あり
  • 菅原 遼馬(すがわら りょうま) 介護施設輝幸代表 輩
  • 久我(こが) 菅原の部下
  • 家守華恵(いえもり はなえ) コンサルティング会社経営
  • 佐恵子 家守華恵の義理の妹
  • 金本 卓(かねもと すぐる)大柄な不良 力士を目指していたらしい 父がヤクザ 故人
  • ミヨコ 金本の同居人
  • 曽我部 聡太(そがべ そうた) 配達員 壬生の後輩の下の人間らしい
  • 薬師前 仁美(やくしまえ ひとみ) ソーシャルワークつぼみ代表の女性。烏丸の知り合い
  • 宇田川 良子
  • 森田 ひき逃げ犯
  • 郷田 ヤクザ風の男
  • 市田 智子 毎朝新聞社会部 烏丸の知り合い
  • 京極 清志(せいし) 伏見組の若頭
  • 佐久間 謙一(さくま けんいち) 京極を襲撃した輩
  • 笠置 雫(かさぎ しずく) 男性を殺害した若い女性、キャラクターのタトゥー
  • 中谷 修斗(なかや しゅうと) イケメン。マッチングアプリで雫と出会う 故人
  • ムーちゃん 39歳。ぼったくりバーの客引き。
  • 外畠(とのはた)雫の母衣子の内縁の夫
  • 粟生(あお)怪しい男。修斗とつながっている。
  • 亀岡 麗子(かめおか れいこ) 人権派弁護士
  • 田城(たしろ)雫のメイク担当
  • 小山義昭(こやまよしあき)=小林(こばやし)? トゥールビヨン企画の代表取締役
  • 白石 桃花(しらいし ももか)AV出演強要を訴えるモデル
  • 寿樹弥(じゅきや) No1ホスト
  • 笠置衣子(かさぎ きぬこ)雫の母親
  • 深見 警察官、組織対策課3年目
  • 又林 深見の先輩らしき警察官
  • 嵐山信子=愛美? 嵐山刑事の娘 故人
  • 犬飼勇人 嵐山信子殺害の為、少年刑務所に服役中、壬生の地元の後輩
  • 衣笠美穂 嵐山愛美の元飲み友達。
  • 炭山部長 嵐山の上司
  • 金ヶ原 ヤクザが原因で銀行口座を作れない女
  • 紗理奈 小山の娘
  • 門脇数馬(俳優志望➡サパークラブ勤務)
  • 音羽千歌(歌手志望➡ギャラ飲み女子)
  • 数絵 門脇数馬の妹。生まれつき体調がすぐれない
  • ももよ 数馬の俳優時代からのファンで風俗で働く
  • 山梨新一 整形外科医 エッチそう
  • 伏見組長 伏見組の組長。現在服役中。
  • 川原社長 数馬を大人の運動会に紹介したらしい
  • 小松 坊主頭の男。
  • 東村ゆうひ 烏丸の元居た法律事務所の人と思われる
  • 知恵光院翔 ライップスコーポレーションの男。門脇数馬に投資詐欺を行う。
  • 片桐士郎 私立探偵。壬生の依頼で数馬を助けようとする
  • 宇治信直(うじのぶなお) 検事部長。

九条の大罪 第67審 あらすじ ネタバレ注意

烏丸が「HNDOA」のバイクに乗って登場する。

バイクに乗って追いかけてきた流木が忘れ物、と言ってペンを渡す。

警察・検事対弁護士は組織対個人だ。弁護士は自分の身は自分で守らないと。

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という流木。

向かった先は警察で、前回嵐山に呼ばれたのに答えた形だ。

腕を組んだ嵐山の部下の深見が、会話の録音を疑いスマホを出すように伝え、烏丸はそれに従う。

続けて深見はなぜ九条のイソベンをやめたのかを問いかけるが、烏丸は取り合わない。

嵐山は犯罪者に取り込まれていることに嫌気がさしたのでは、と簡単にまとめ、九条が森田のスマホを証拠隠滅したのを見ましたよね、と烏丸に確認する。

烏丸は何の話か聞き返すが、森田が九条の指示でスマホを九条に渡した、と供述したのだと嵐山は言う。

森田の出頭日に森田のスマホの位置情報が九条の事務所にあった点から、証拠隠滅ですよね?と烏丸に聞くものの、烏丸は九条に相談に行ったので位置情報があるのは当たり前だ、という。

流木から預かったペンを烏丸が胸にさしていることに気づき、嵐山はそれが盗聴器になっていると気づき、烏丸の用意周到さを褒める。

追って九条と森田の会話も録音していたのでは?九条の森田への証拠隠滅の指示を聞いていたのでは?などと直接的に問いかけるが、烏丸は意に介さず、九条は弁護士の仕事をしたまでだという。

九条の住む屋上に壬生が来ている。

犬飼から壬生に電話があり、面倒を起こした人間を拉致してヤキを入れたといっている。

焼きを入れられた人間は後ろでに縛られ、ビニール袋をかぶって後ろ手に縛られているジャージを着た男が菅原から買い取ったボウリング場に転がっている。

壬生が聞くと、ジャージ男は犬飼にとって面識のない人間らしい。

壬生はどこかに捨ててこいと指示し、電話の電源を切り、SIMを取り出し、SIMとスマホを分けておいて・・・とテキパキと証拠が残らないような指示をする。

壬生に続けざまに電話が来る。

今度は京極からだ。

女房から息子が行方不明と聞くが何か知らないか、という京極。

再び、ボウリング場でうめくジャージ男が描かれ、壬生は沈黙している。

九条の大罪 第67審 感想

森田の供述が嵐山のでっち上げなのかはわからないが、嵐山は比較的強引に話を聞き出そうとして全くうまくいかなかった形である。

盗聴機能のあるペンで録音されていたら決定的にまずい内容や、直接的な強引さは無かったが、話の進め方としては強引で、特に盗聴器に気づいてからは立て続けに質問をし、烏丸がぼろを出さない苛立ちも感じられた。

ここまでの描かれ方を見ると、嵐山は執念深くはあるが、知識や準備のある人間たちにとってはそれほど厄介な者ではなさそうだ。

しかし、それは単純なやり取りの中の話であって、毎日ロックになるスマホを何年もかけて手作業でロック解除にこぎつけた嵐山の執念、粘り強さは今後も九条や壬生周りに何度もの想定外のピンチを演出する、そんな役回りを果たしそうである。

要は格闘技でいうと普通に立ち技をさせたら嵐山は弱いが、寝技や泥仕合においては強さがあり、時に九条の悩みの種になりうる、というように見える。

ともかく、烏丸は何ら嵐山に不要な情報を与えることなくこの日が終わったようだ。

取り調べの中でまずい内容は無かった、と言ったが一点気になるのは森田が「スマホを出すように九条に言われた」と言っていると嵐山が言った内容は果たして本当なのかがわからない。

嘘っぽくもあるが、これは森田とコンタクトを取らないと分からない話なので、烏丸にとっては森田が供述したのかもしれないし、そうでないかもしれない、としかとらえられない話だ。

森田とコンタクトを取れるのは九条だと思うが、九条とコンタクトを取らないと烏丸にとっては真偽がわからない。

いずれにせよ、でっち上げで嵐山が嘘を言って烏丸から情報を引き出そうとしていたら、これは問題というか何らかの犯罪に当たるのかもしれない。そして、それは盗聴器がばっちり抑えている。そのあたりもあって後半の嵐山からは焦りを感じたように思える。

犬飼は壬生の部下的な立場となったようだ。おそらく菅原もそんな感じなのかと思うが、彼らが普段何をしているのかはよくわからない。

今回不可解だったのが面倒を起こした人間に焼きを入れているが、その人間を犬飼は知らない(面識がない)と言っている。

これは???である。

普通面識のある人間が何か問題を起こしたからヤキ(暴行)を加える、というものなら理解できるが、唐突に面識のない人間の起こした面倒に対し、赤の他人が暴行を加えるのだろうか。

面倒、という言葉で片付けられているのが何の問題があったのかについて不透明なままだが、相手が犬飼であれば大した理由もなく、ヤキを入れられるということもあり得そうではある。

書きっぷりからして、このヤキを入れられたジャージ男は京極の息子だと思われる。

そして壬生の沈黙を考えると、偶然の一致にしては不自然な気がする。

少なくとも壬生は拉致されたジャージ男が京極の息子であることは把握していそうで、表向きには犬飼が揉めた人間をどこかに捨てて逃走、姿をくらますという形になりそうだ。

九条の大罪 第68審以降の展開は?

ジャージ男を京極の息子と決めつけてしまうが、壬生には2つの選択肢があると感じる。

1つはそのまま、犬飼にジャージ男を文字通り捨てさせるということで、京極からするとかわいい息子が居なくなるのは困ったことだと思われる。一般的には。

もう1つは、どこかに捨てられているジャージ男を壬生の手柄で発見するというものである。これは京極からするとほっと安堵するような出来事であり、壬生の信頼感が増す可能性がある。

この2つ以外にも選択肢はあるが、ざっくりと言えばこの拉致事件を壬生が全く無視するのか、それとも積極的にかかわっていくのか、の2択で言えば間違いなく後者なのだろうとは感じている。

いつでも周到、な壬生にとってトラブルメーカーの犬飼がトラブルを起こすことはすでに計算づくで、犬飼からすれば知る由もないところで壬生の仕掛けが始まっているように思える。

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