ROOT ルート IPO売り出し目論見書 S-1 まとめ

米国株IPO目論見書S-1/F-1

2020年10月28日に上場したROOT ルート 米国の保険関連のテクノロジー企業について、IPO売り出し目論見書を要約しましたので紹介します。

投資にはリスクが伴いますので自己判断・自己責任にてお願いいたします。

IPOトレードの仕方については以下の記事、じっちゃまのYoutubeで勉強されるのがいいと思いました

12月はタックスロスセリング(年末の税金の調整の為、負けている株を処分する)時期です。

じっちゃまのTweetで具体的な銘柄が言及されましたので、紹介します。

ROOT 上場市場:NASDAQ 取り扱い証券会社:マネックス証券・SBI証券・楽天証券

12/18現在取り扱いのある証券会社はマネックス証券です。

第三者評価機関による調査でオンライン証券使いやすさランキング第一位を獲得!!。
※ ゴメス・コンサルティング株式会社「2006年10月オンライン証券ランキング」より

「時間外取引」をやっているなどのメリットと証券口座を作ることに大きなリスクは感じないので私はこの機会に口座を作りました。

メインで使っているSBI証券では現状取り扱いがないため、いざというときのために複数証券口座を持っておくことは良いと思います。

12月21日訂正・追記:SBI証券でも12月18日~取り扱い開始しました。

12月23日訂正・追記:楽天証券も12月23日(水)~取り扱い開始。

マネックス証券_投信つみたて

【2020年12月17日時点】ROOTの株価 10月28日の上場初値26ドル➡現在13.91ドル。約半分に。

ROOTの株価 上場初値26ドル➡現在13.91ドル。約半分に。

2020年IPOされ、かつ「いいところなし」で株価が下落したものという条件を備えており、タックスロスセリングとしてはねらい目の銘柄かもしれません。

12月に入ってからも20%強の下落をしています。

※本記事ではIPO売り出し目論見書のまとめをしています。特にROOTについて買い推奨をしているわけではございません。投資はリスクを伴います。自己判断でお願いいたします。

ROOT ルート IPO売り出し目論見書 S-1 まとめ

ROOT S-1より

IPO売り出し目論見書S-1にはたくさんの情報がありますので、抜粋して紹介いたします。

個人の運転挙動をデータ化し、リスク毎に保険料を個人向けにカスタマイズできる会社です。

ROOTの経営者は?

Alexander Timm 32歳 創業者・CEO

元Nationwide Insurance シニアコンサルタント・企業戦略・財務リーダーシップローテーションアソシエイト

ROOTとは?何をしている会社?

自動車保険をパーソナライズ化することを発端とした会社です。

自動車保険について、高リスクな人と低リスクな人が同じような保険に入るということは有ると思います。例えば日本の保険でいえば1年間無事故だと等級が上がり、わずかにコストが下がる、という仕組みになっていますが、一部の人の事故にかかるお金を無事故の人が負担するという形になっています。

こういった仕組みの中で人によってリスクは違えど保険料に差がない、つきづらいというところにメスを入れる会社です。

代理店による管理コストも削減し、必要な人に必要な金額の保険に入ってもらうという考え方のようです。

ルートの優位性は、データに基づいて個々のリスク分けることや、使いやすさ、および当社のフルスタック保険構造によって可能になった商品提供にあるようです。

フルスタック型とは・・・保険免許を持った企業による自社開発の保険商品。保険会社が用意した商品を代理店販売を行うということと異なる。

どの様にリスクをパーソナライズする?テレマティックスを活用。

行動データと独自のテレマティクスにより、リスク予測をするようです。

テレマティックス型保険についてはチューリッヒのページがわかりやすいです。

例えば急発進・急停止のような危ない動きをしている人が居たらそういう人は事故のリスクは高そうだと思います。そういった挙動や走行距離などのデータから、個々人の事故リスクを割り出し、リスクに見合った保険料を支払う必要がある料金設定になります。

低リスクの優良ドライバーにとっては乗り換えたくなりそうです。

逆に高リスクであるドライバーはROOTによると10~15%らしく、これらの方のために痛手を被っている方がまさにターゲットとなります。

車運転者の8割以上がターゲットであるとすると、マーケットはデカそうだと思います。

さらにこういった取り組みが評価され優良ドライバーがROOTに流れると、従来の保険を扱っている企業は危険なドライバーばかりを抱えることになり、リスクとコストが合わなくなる点、またROOT同様の運転予測を保険に反映するなどの仕組みやデータの蓄積は難しいであろう点がアピールされています。

保険加入も簡単。スマホで47秒

保険に入る際に比較検討や手続きは非常に苦痛だと思いますが、スマホで47秒で手続き完了できるようです。

手続き以外の各種サービス、事故対応もスマホで行えるようです。

売上・利益などの数値。売上(保険料)右肩上がりで成長。

直接筆記保険料(DWP)

2018年1億640万ドル➡2019年4億5110万ドル➡2020年1~6月3億650万ドル

収益

2018年4,330万ドル➡2019年2億9,020万ドル➡2020年1~6月2億4,540万ドル

純損失

2018年6,910万ドル➡2019年2億8,240万ドル2020年1~6月1億4,450万ドル

保険市場の大きさ=世界で2兆ドル、米国3,700ドル超。大きな変革の少ない市場だったが、今後は価格設定でイノベーションが期待される

保険は世界で最も古く、最大の市場の一つです。世界の損害保険の保険料は年間 2 兆ドル。

ROOTの主な対象市場は、米国の個人向け損害保険で、この市場は2019年の保険料が3,700億ドル超、2014年から年間5%の複合成長率(CAGR)で成長しています。


過去100年の間に、保険業界は革新的な混乱ない業界でした。

最も破壊的だったのは、1990年代後半の流通チャネルとしてのインターネットの登場。それにより個人向け自動車保険市場を再定義しました。

「デジタル販売」の台頭が、過去20年間でダイレクト・モデルにもたらされた500億ドルの市場シェアの移行の主な推進力と考えています。

次のテクノロジー主導の構造的なシフトが進行中で、そのシフトとは保険の価格設定と提供方法の全体的な変化であると考えています。

リスクファクター(不安要素)

ほかの企業でも同様ですがズラッとリスクについて書かれています。

気になる点をいくつかピックアップします。

顧客の喪失による収益低下

多くのお客さまの契約更新・契約の長期継続により損害率は改善しますが、将来的にお客さまを失った場合には、損害率の上昇や損害率の低下が止まらなくなり、当社の収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。

エリア拡大のペースが遅れることによるリスク

現在、米国の36州でライセンスを取得しており、そのうち30州で事業を展開しています。近いうちに 50 州すべてに進出することを計画しているようです。また、10の州でライセンスを申請していますが、承認されなかったり、取り下げられたりしています。

順調にエリア拡大や顧客獲得を続けてこその利益成長が見込めるということを言っていますが、拡大のペースが予想より遅くなることがあり得ると書いてあります。

これは法や規制の話であり、州法などが日本と異なるため、他エリアへの進出ハードルが高いということも懸念事項のようです。

州法や規制について。カリフォルニア州の規制。

カリフォルニア州では現在のところ、走行距離以外のテレマティクスデータを保険の引受に使用することが制限されています。このため、カリフォルニア州ではコスト競争力のある保険契約を提供することができず、他の州でも同様の法律や規制が可決された場合には、保険契約を提供することができなくなる可能性があります。

運転データも保護されるべき個人データと捉えることが増えるようであると、ROOTにとっては悪い要素となります。

また連邦政府や州の議員が、特にスマートフォンを介してドライバーのデータを収集する能力を制限する法律を可決した場合、その法律がROOTの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

コロナウイルスによる影響。運転機会減=事故減=利益増が短期的に起こるも、長期的には州の消費者救済策がリスクとなっている

2020年第2四半期には、顧客の自動車運転が減少しました。

SIPの好影響を受けましたが、いま、第3四半期には損害カバー率が大幅に低下し、現在ではCOVID-19以前の水準に戻っています。

ROOTの事業はまた、COVID-19 の救済活動に関連した州の規制の影響を受けています。これには、保険料未払いによる保険契約の取消しの制限、保険料の支払いを最大 60 日間延期することの義務付け、保険料の増額の制限などが含まれます。この消費者救済の動きはROOTにとっては長期的な収益についてのリスクと言えます。

テレマティックベースの技術についての不安要素。高リスクと診断された人の満足度。技術開示の要求リスク。

テレマティックスをベースとしたシステムが技術的な肝だと思いますが、まずこれにより一部の利用者は危険な挙動、リスクの高い人、とセグメントされる可能性があります。

たとえばいつも通りの運転をしているつもりなのにいきなり高リスクと判断されたら納得がいかないということもあると思い、テレマティックでの診断精度や顧客満足度により離脱リスクがあり得ます。

また、肝となる技術のについて競合への開示要求を求められる場合も技術・ノウハウの流出リスクとなります。

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