- 営業力をつけたいけれどもどうしていいかわからない
- 本や座学では知識と実践のイメージがわかない
- 会社の研修や先輩の教えだけではイマイチ成長できない
- いざ本番になるとうまく行かないが原因がわからない
という方に向けた記事です。
ずばり高い買い物をおススメします。
- 買う側(あなた)にもリスク・緊張感があるのを体感する
- 売る側も本気である
- 比較購買などが自然に出来る
- これらすべてがビジネスの商談で買う側の気持ちを理解することにつながる
詳しくは後ほど説明します。
最近読んだ営業力に関する本の中ではこちらがぶっちぎりにおススメです。
著者の高橋浩一さんが多くの営業マンをコンサルティングしていて、
GLOBIS学びホーダイでも講師をされていました。とても実績と信頼のある本なので
営業経験のある方なら導入から「こういうこと、ある。ある!」と引き込まれます。
今回私の体験から伝えたい内容もこの本には体系的にまとまっていますが、
本を読む時間がない方に向け、私の体験踏まえ記事を書きました。
では具体的に高い買い物をすると何を得られるか、なぜ良いのかをもう少し詳しく説明します。
営業マンの勉強機会 高い買い物をしてみよう
![営業マンの勉強機会 高い買い物をしてみよう](https://www.funandintense.com/wp-content/uploads/2020/09/money-1024x683.jpg)
私は今までのプライベートの出来事で超直接的に営業の勉強になったのは
車を買ったときと、家(賃貸)を選んだ時です。
まずこれらの特徴は
①高額である
②営業を受ける
③複数業者のコンペとなる可能性が高い
という状態で、この3つを満たした場合
担当者の営業力を比較できるので極めて強力な
営業の勉強機会になります。
車の購入の場合【体験談】
![車の購入の場合](https://www.funandintense.com/wp-content/uploads/2020/09/car-1.jpg)
車を購入する場合ディーラーなどに行くことが多いと思います。
ディーラーには営業担当が居て、
あなたが車の購入を検討している旨を伝えるとそこからが
商談スタートになります。
例えば「新車でトヨタのアルファード1台を買いたい」
ということが決まっている場合、競合となる要素はあまりないですが、
「ファミリー向けの大きな車を複数メーカーで検討」
「中古車含め検討」
このような状態で「ディーラー巡り」をすると、
各営業マンの本気がみられるので非常に勉強になります
実際はこのように幅広く興味を持った状態で車を検討することも多いと思います。
営業マンも仕事なので買う気もないのに「冷やかし」はダメです!
勉強という意味でもこちらも本気で買う前提でなければ目も養えません。
車の営業マンの営業マインド 気合の入ったメール
僕が個人的に結構心を動かされたメールがあって
前後は忘れてしまいましたが
とてもいい商品だと思います。
買ってください。
という内容です。
これは自分としては衝撃的でした。
前提としてその日見た車の中で走りも見た目もよく、
結構高級な車ですがすごく満足度が高い。
でもちょっと値段は高いかなあ・・・
というものでしたが
自信のある商品に対しては自信のあるコメントをしても
全然不快ではないと感じました。
- とてもいい商品・価格だと思うのに無駄にへりくだってしまう
- 相手の検討状況が見えないゆえにそれを勝手に想像して遠慮してしまう
いい商品なのに遠慮が過ぎると逆に買う側に不安に思われてしまいます。
いいものを紹介するなら、自信をもっていいと思います。
マンションの賃貸営業の場合【体験談】
![マンションの賃貸営業の場合](https://www.funandintense.com/wp-content/uploads/2020/09/sales.jpg)
マンションの賃貸について私は賃料以上にホントにホントに貴重な経験をしました。
ちょっと長くなりますが、この経験は商談1,000回以上の価値があったと思います。
転勤の際、2社の不動産屋からマンションの提案をもらったのですが、
私は異動まで日がなく、1日しか物件を見ることが出来ません。
とにかく自分の条件に合った物件をたくさん見せてくれ、後は選ぶから
というトーンで2社に見たい物件リストを連絡していました。
午前中のA社については私の見たい物件を順に見せてもらいましたが、
イマイチこれは良いという物件がない。(自分で選んだのですが)
マンションの賃貸営業 B社の提案 トップ営業の営業スキル
![マンションの賃貸営業 B社の提案 トップ営業の力](https://www.funandintense.com/wp-content/uploads/2020/09/kin10.jpg)
一方午後のB社の営業マンは
「一度話を聞きたいので事務所まで来てください」
というところからスタート。
「いやいや、事務所なんか行く時間ないよ
午前中6件回っていい物件がないんだから、
もっとたくさん見ないと・・・」
正直そう思っていましたが、
妻も一緒だったのでおとなしく事務所で話を聞きました。
事務所では
「午前中の案内はどういった内容だったか」
「いま僕たちはどのように考えているか」
「何が不満だったのか」
というようなことを聞かれました。
そして、結果的に4件の物件を提示されましたが、
そこでも驚きがありました。
当初僕が見たいと言っていた物件、条件ではなく
すべて条件から逸脱した提示をされたのです。
しかしながら4件ともに十分検討するに値する内容で、
結果的にB社の提示した物件に住むことにしました。
(そして、住み心地は良かったです。)
同じ営業だったので物件を決めた後にB社の担当の方に普段はどういう事をされているのかと聞いたら、社長だったようです。
納得の営業力ですよね。
B社のアプローチは営業の本質に近いと思いました。
まず基本の顧客のニーズ・不満などの聞き取りと、それに対する提案、さらに言うと当初想定される顧客のニーズ(私の場合、会社に近いことと部屋が広いということが条件でした)を上回る価値提供(少し会社からは離れるが、住みやすい)まで提案できる提案の幅というのが本当にすごかったです。
全てお話を終えたうえで、今僕たちに提案しうる空きのある物件って何件くらいあるんですか?
と聞いたら「4,000件くらい」とのこと。それだけの空き物件を脳内にインプットできているからこその提案なのでしょうが、これはプロだなと思いました。
僕も営業を15年くらいやっているのでB社には驚かされました。実は冒頭紹介した、ぶっちぎりおススメの本の導入にもほぼ類似した事例が紹介されており、個人的にも導入で引き込まれました。
比較をすることで営業マンの品質を勉強できる
先ほどの例でいうとA社・B社の営業の比較であったり
複数の自動車メーカーの比較を出来ることが
貴重な経験です。
言われて嬉しかったこと、購入につながるようなひとことを特に抑えてください
- 言われて嬉しかったこと
- 購入につながるようなひとこと
- 不愉快・余計なひとこと
- 購入をためらうようなひとこと
- 考え方が変わるようなひとこと
- 特に意味のなかったひとこと
実際は「ひとこと」だけでなくどのような会話の流れの中で、
「ひとこと」が出てきたかを知るとより良いですが
まずは「ひとこと」を拾い真似をしてみる。
真似をしてみると、同じような「ひとこと」につなげるために
必要な前置きをどうすればいいかを、自分に置き換えるといいと思います。
逆に不愉快・余計な「ひとこと」は言わなければいいです。
車の値引き交渉に学ぶ、買う側・バイヤーの心理
高額な買い物なので真剣に買う側の心理に立つこともできます。
個人的にはこのレベルの買い物であれば
価格の相談なども積極的に行うべきだと思います。
車の値引きについてですが、
例えば何も調べずに「100万安くしてくれ」
という人は居ないと思います。
例えば何かしら比較になる値段、
他社での販売事例なのか新古車の価格なのか、
値引き交渉の口コミなのかを参考に
10万円程度は値引けるが20万円は値引ける場合があったりなかったりする。。
などの情報をもとに妥当なラインをついてくる、
買う側の姿勢がこういう交渉でないと
ただ要望やわがままを言ってみただけということになります。
そして、妥当な値引きラインというものは
意外とよくわからないという状況も理解できると思います。
例えばインターネットに欲しい車を買う際
「20万円値引きした」という
他人の情報・口コミがあったとしても
- 20万円値引きされた状況と現在では環境が同じなのか
- 同一車種、同一のタイプなのか
- そもそも口コミが真実なのか
- 18万円をすこし「盛って」20万円と言っていないか
など、買う側にとっても見えないこと、
不透明なことは意外と多いということに気付けます。
買うことに長けている人ほど
値引きを促す引き出し・テクニックは多いですが
意外と知らないことも多いということを
体感できることに価値があります。
営業を勉強するには「高額」な買い物である必要性
いわゆる単価が低いものは全力で1人1人に営業をかけないケースが多いからです。
直近でお金やカードを使ったケースを思い出してください。
営業を受けましたでしょうか?
私の場合、喫茶店・コンビニ・本屋などでお金を使いましたが、
どれも購入までに営業を受けることはなく、
せいぜい「いらっしゃいませ」程度でした。
これがデパートのブランド服売り場であれば
声をかけられることも多いと思います。
消費が早いもの=大体単価が低くなりがちで
サービスは受けても営業は受けないケースが多いです。
このため高額な買い物をおススメしています。
逆に高額な買い物でも営業を受けないもの(ネット証券)での
買い物からは営業スキルは学べませんので
身近なもので営業を受けるものを考えてみてください。
高額な買い物なんてできないという方は
考え方として必要なもので、高頻度ではなく、説明を要するもの
であればいいと思います。
例えば上位でいうと車は必需品でないかもしれませんが、
家は必要だと思いますので、高額ですが何らか契約はされている
ケースが多いと思います。
賃貸物件を探す、結婚関係、礼服、スーツ、保険、携帯の契約、パソコン・家電など
1度買ったら1年くらいは買いなおさないであろうものが
真剣な営業を受けるような買い物です。
これらは単価も高いので買い物に時間をかけてもいいと思いますし、
家電なども複数の量販店に行ってみるだけでも勉強になると思います。
特定のサービスは営業マンが介することで割高になるものもあります。
勉強とはいえ無理に営業マンに合うことを目的に高額なものを買わないでください。
まとめ
- 買う側(あなた)にもリスク・緊張感がある
- 売る側も本気である
- 比較購買が自然にできる
- 運よくスーパー営業マンに会えるかも
- これらすべてがビジネスの商談で買う側の気持ちを理解することにつながる
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